新大阪と東三国の程近く。大阪市の南北を走る地下鉄御堂筋線とそれ平行して走る道路 通称「新御堂」沿いをほんの少し入ったところに、バー キースがある。
大きな窓のあるアーリーアメリカンな佇まいを持つ店構え。そのドアを開けると、周りの街の喧騒を忘れると同時に古き良き時代にタイムスリップしたかのような空気に包まれ、なんとも言いがたい懐かしい気持ちになる。
重みのあるカウンターの椅子に腰をかけ、まずはぐるりと店内を見回してみる。所狭しと並ぶお酒のボトルとマスターが蒐集した小物たちが静かに並んでいる。
さて、何から頼もうか・・・・・・。
「酒を飲む」
この5文字に、キースのマスターは深い意味を感じ取っている。
“最近、大人が大人としてちゃんと飲める酒場が減っていることを危惧している”と語るマスターは、お酒を飲める年齢になったばかりの頃、一人でバーの有名店に何度も足を運び、その店のオーナーや年配のお客様から「大人の酒の飲み方」を厳しく教えてもらった。
アメリカ合衆国で「バー」と呼ばれる店は、もともとイギリス生まれの「Public House」のことで一般的に言われる「Pub(パブ)」と同じもの。
「Public」には「大衆」という意味があり、紳士・淑女の社交場としての役割を担ってきた場所でもある。
そこは居酒屋とは一線を画す、文化的な場でもあったのだ。
焼酎ブーム、ワインブーム・・・と話題になることもあるけれど、お酒の世界にブームはいらない。
マスター自ら学んだのは
・自分の飲みたいものを言える
・自分の飲み方を知る
・TPOをわきまえる
こと。
『 バーって、お酒のメニューが書いてないから、何があるかよくわからない 』
『 正直、高そうで、あまりお金が無いときはどきどきして頼みにくい 』
そういった人や、あまりお酒の経験がない若い人に ぜひバー キースに足を運んでほしい。
「 バーテンダーと会話をし、コミュニケーションを取りながら、一緒に好みの味を探していきましょう」
「値段のこともどんどん聞いて。ちっとも恥ずかしいことでないから」
「"今日の手持ちのこの金額で飲めるお酒を”・・・これもOK」
そうマスターは語る。
ちょっと堅苦しい話が続いてしまった・・・。
バー キースは 幹線沿いにありながら、意外と人が住みやすい街の一角にある。
それは、人が住み生活する街で店を開きたかったマスターの希望が叶えられたもの。
「 お風呂上りに、ちょっと寄ってくれたらうれしい 」
「 お母さんがお子さんを連れて、気軽に食事も出来る店でいたい 」
そのために、朝10時から店に入り、時間をかけ念入りに掃除をする。磨き上げられた店内に、広い年齢層のお客様をお迎えする心意気を感じる。
美しい写真が載る、ラミネート加工されたメニューはこの店にはない。
でも、マスターの厳しい目で選んだ食材で作られた自家製の美味しい料理が店の厨房で控えている。
マスターとの会話からそれらを聞き出して自分の舌で味わうプロセスを楽しむ、という今までと少し違った「店とのつきあい」をここバー キースで始めてほしい。
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今夜も、バー キースはとびきりのお酒とお食事をご用意して、
あなたのお越しをお待ちしております。
キース マスター 山本照彦
こんな顔もします
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